フランスで暮れに公開された映画『ココ・シャネルとストラヴィンスキー』(カンヌ映画祭出品作品)を先日オデオンの映画館で観てきた。平日のお昼間だったこともあり観客の入りは芳しくなかったけれど、映画そのものは見応えのある面白いものだった。ストラヴィンスキーの三大バレエのひとつ《春の祭典》は1913年パリのシャンゼリゼ劇場で初演された作品。当時、ブルジョワのパリの聴衆たちは、ロシアの原始主義を全面に打ち出した作品のコンセプト(乙女の生け贄がテーマ)、音楽、衣装、振付けに度肝を抜かれて、演奏が始まるやいなやどよめきと戸惑いの声が上がり、収拾がつかなくなり、途中でストラヴィンスキーは客席から出ていったという逸話が残されている。映画はこの初演時の様子から始まり、この時居合わせたシャネルはストラヴィンスキーの音楽に惹き付けられ、シャネルとストラヴィンスキーの交流が描かれていく。ストーリーそのものはともかくとして、シャネルとストラヴィンスキーの関係を全く知らなかった私にとって、興味のそそられるテーマだった。小説がもとになっているそうなので、機会があったら読んでみたい。この映画のもうひとつの魅力は、シャネル役を演じたアンナ・ムグレがシャネルのスーツやワンピースを見事に着こなしていたこと。特に印象的だったのは、背中のライン。加えて、シャネル所有のヴィラ(別荘)も素晴らしかった。いろんな意味で楽しめる映画だと思う。日本では昨日封切られたそうなので、興味のある方はぜひ。