ストラスブール

世界遺産のPetite France(小さなフランス)

 

昨年はどうちらかというと冷夏だったフランスも、今年は暑い夏がやって来た。湿気こそないものの、30度を越えた日は激しい夕立ちや雹に見舞われることもし ばしばで、屋根裏部屋の真上のトタン屋根に打ちつける雨音のすさまじかったこと。8月は一時帰国せず、同期の奨学生仲間が住むストラスブール、その近郊にあるベルフォールとジロマニー、スイスのバーゼルを訪れた。アルザス・ロレーヌ地方の首都ストラスブールは、ドイツと領土をめぐって幾度も戦場になった国 境の街。世界遺産のカテドラル周辺にはアルザス伝統の木組み式の古い家々が軒を連ねて、街並みはやはりドイツに近い雰囲気だった。

友人のカウンセラー夫妻の別荘を訪れた山間の村ジロマニーではお天気に恵まれ、朝昼晩とも見晴らしの良いお庭のテラスでおいしい手料理を食べ、お昼寝し、 本を読み、ピアノを弾き、近くの池にいる金魚にえさをやり、山で穫れたふぞろいのりんごでタルトを作った。まるで昔小説のなかで読んだ、フランスの田舎で 過ごす絵に描いたようなヴァカンスを実際に味わうことができたと思う。

スイスのバーゼルでは、研究の資料調査を行った。初めて訪れるバーゼルは落ち着いた静かな街で、お昼休みにしか散歩できなかったのが残念。閲覧室の窓から 浮き輪をつけた人々がライン河を気持ち良さそうに流れていく姿をうらやましく眺めつつ、朝から夕まで作曲家の自筆譜やスケッチと向き合う日々は、集中した時間だった。加えて、イタリアやアメリカから来ていた若い研究者、留学中のロンドンから来たヴァイオリニストの日本女性との思わぬ出会いも。9月に入って一気に秋モードに装いを変えたパリ。これから始まる新学期に気を引き締めて備えたい。(隔月で2年間連載していた『鎌倉朝日』留学記より転載)

 

 

 

アルザス伝統の木組み式の家

 

 

 

カテドラルそばに軒を連ねるカフェ

 

 

 

世界遺産のカテドラル

 

 

 

 

バーゼルの街を走るトラム

 

 

 

 

スイスのスーパー「MIGROS」

駅のなかにもあって愛用させてもらった

 

 

 

 

ライン河

浮き輪をもった人たちが流れて行く姿も

 

 

 

 

 

財団のある広場

 

 

 

ジロマニーの山荘