フランスで迎える初めての新年。元旦こそ曇りだったものの、昨日今日は午後から晴れて、マイナスの冷んやりした空気でシャキッと清々しいお正月だ。シャンタルさんご夫妻がホストを務めたフェットは思った以上に華やかなものだった。レンヌから車で小一時間ほどのところにあるシャンタルさんの友人宅に総勢17人のゲストが集まり、大晦日の夜から元旦の朝方にかけて実に8時間近くかけて、合間にダンスを挟みながら新年をお祝いするディナーを頂いた。日本ではクリスマスのあとお正月が来るので、クリスマス飾りはあっという間に姿を消すのが常だけれど、ここフランスなどヨーロッパではだいたい1月半ばまで飾ったままで過ごすのが習慣らしい。

ディナーテーブル

蝋燭の明かりが素敵な雰囲気を作り出していた

ゲストたちが到着すると、ホストを務めるシャンタルさんのご主人がタキシード姿でお出迎え。シャンタルさんのかつての仕事仲間の友人たちがほとんどで、30年来の付き合いになるとか。みな久しぶりに顔を合わせて、にわかにサロンが活気づく。全員そろったところで、アペリティフが配られて、オシャレなオードブルが振る舞われる。すべてシャンタルさんと長女のベアトリスさんが用意したそうで、どの前菜もカラフルでとても美味しかった。

エスカルゴとプチシュー

歓談の段落がついたところで、男性陣が家の地下にあるガレージへ姿を消す。次は何が起こるのかな〜と待っていると、牡蠣の食べ放題だった。ブルターニュの北岸サン・マロの少し右よりにあるカンカル Cancaleは牡蠣で有名な港で、そこで穫れたフレッシュな牡蠣がこれでもかというほどどっさり。でも数十年前この地方の牡蠣は一度全滅して、なんと日本から種を分けてもらって、復興したとのこと。みなが「この牡蠣のもとは日本だよ!」と教えてくれた。次々と男性陣が殻を開いていく。おかげで女性陣はひたすら味わうだけ。少し塩味が強いというカンカル産の牡蠣は辛口の白ワイン vin blanc sec で頂くのが美味しいとのこと。白ワインに加えて、バターを塗ったタルティーヌも一緒に食べるのが習慣らしい。私も少しだけワインを味わいながらたんまり牡蠣を頂いた。たくさんあった牡蠣も見る見るうちに平らげられて、大きなバケツがあっという間に殻で一杯になった。ちなみにこの写真の手前に写っている男性がこの広いお家の持ち主で、この日の17人分の料理人を務めた方。

海のミルクが勢揃い

屋根に使われる石板にサーモンの薫製、いくら、

キャビアつきのビスケットなどが並ぶ

いよいよディナー開始

料理人の合図があるまで食べ始めてはいけないらしい

フォアグラの薫製2種。

こんなに大きなフォアグラ全部食べきれません。。

私は半分ほど頂いてギブアップ。

ダンスで盛り上がったあと、いよいよメインディッシュ。シャポン Chaponというクリスマス時期にだけ食べられる去勢された鶏肉。鶏の上にある茶色のキノコはモリーユ morille(アミガサタケ)という食用キノコで、美味しいソースとともに良い香りを醸し出していた。付け合わせの栗はマロン marronではなくシャテーニュ châtaigne。両方ともシャテニエ châtaignier(ヨーロッパ栗)の実だけれど、どう違うかというと、イガのなかに2、3個の小さな種子が入っているのがシャテーニュで、大きな種子1個入っているのが通常のマロンらしい。確かにふつうのマロンより小さめだった。味そのものはそんなに大きな違いはなさそうだけど、甘みはなかったかな。おそらくシャテーニュもクリスマス時期に使われる食材なのだと思う。

シャンタル家でノエルを祝うランチのときも

シャテーニュを使ったケーキを頂いた

そのあと、いよいよカウントダウンしながら再びダンス!2009年がスタートしたところで、次はお口直しのソルベ。写真を撮り忘れたけれど、小さなグラスにカルヴァドス入りのリンゴのソルベが入っていた。とろ〜っとしてとっても美味しかった。その後フランス人にとって欠かせないフロマージュ。私はほんのお印程度にひとかけら頂く。でもその他のフランス人は大きな塊を数種カットして完食。メインのマッシュポテトも全て食べきれなかった私には、信じられない光景。フランス人はまさに底なしの胃の持ち主だと改めて痛感した。フロマージュ後にようやくデザートのお出まし。3種のケーキのどれも美味しかったけれど、半分ほどでギブアップ。。もったいないと思いつつ、私の胃はもう隙間がなかった。。元旦の朝4時ごろディナーを食べ終える。そして最後に新年をお祝いするシャンパンで締め。ピリリと締まったシャンパンの味で眠気も吹き飛んだ。