先週の大学院初ゼミナールは濃密な時間だった。良い悪いは別として、こちらの先生たちはテーマに沿って詳細な講義ノートを作ってくるので、学生から質問がでないかぎりずっと話しつづける。ほぼ読み上げているというのに近く、文字通りの「講義」だった。先生によっては3時間の授業で一度も休憩をとらない。よく話では聞いていたけれど、フランス人学生たちがひたすら先生の言葉を筆記していく姿を初めて目の当たりにした。こちらではルーズリーフの分厚い束がよく売られているけれど、これくらいの量はあっという間に使い切ってしまうにちがいない。講義の間、先生の声以外に聞こえてくるのは、止むことなく筆記する音と新しい紙をめくる音だった。日本で大学院に入って以来、講義をずっと聴くことはほとんどなくなっていたので、ひさしぶりに新鮮な感覚を味わったような気がする。耳は聞こえても、とても手が追いつかないのでひとまず録音する。おかげで録音は合わせて10時間を越えて、毎日録音を聴いてノート作りに励むも、道は遠しで終わらない。ポイントだけ押さえて起こすようにしなければ間に合わない。(追記:ここまでの徹底した「講義」スタイルは私の知るなかでの話になるけれど、レンヌ大学の音楽学のみで、ソルボンヌではこうしたスタイルはあまりなかった。講義を録音したのもこの前期のみで、その後は録音しなくなった。)