先日の東京オペラシティ文化財団主催公演「B→C(バッハからコンテンポラリーへ)」(過去のB→Cアーカイヴはこちら)の公演で、これまで同シリーズで担当した曲目解説が通算86回目になりました(数え間違えていなければ…)*数え間違えていたので訂正。留学した2008年から書き始めて今年で15年目になります。2008年〜2013年前後までのフランス留学時代はほぼ毎月担当していましたが、このシリーズは曲数も通常のリサイタルより多く、加えてバッハをはじめとする古典から現代まで幅広いプログラムで構成されるので、現代ものは音源もなく楽譜しかない作品や情報の少ない作曲家や作品もあり、特に最初の1、2年は前担当者の方のご助言をいただきながら、毎月かなり苦労しながら執筆していました。日本で助手を始めた2014年前後からは分担執筆になりずいぶん楽になったように記憶しています。これまでで一番大変だったのは、2017年から1年間再びフランスに滞在していたとき、thèseの最後の提出間際に、どうしてか私のスケジュールのミスで解説の執筆が重なってしまった時でした。それに気がついた時はほんとうに青ざめて、目の前が真っ暗になりました。フランス語の長い博士論文の最後の執筆と修正(5回以上読み直しに付き合ってくれた友人に多謝)に追われ寝るまもなく目次やannexなど諸々の作成をしながら、あれこれ調べて日本語で執筆するのは文字通りの修羅場でした(この時もかなり曲数が多く11曲‼︎)。ちょうどノエル休暇に入る直前で、なんとか解説を書き送った後、イヴの日は朝から胃痛で胃薬を飲んで、フランス語の修正してくれた友人がフォンテーヌブローの実家に招待してくれたのに行くこともできず、ほとんどまともに食事も食べられず…。これほどキツかったことは後にも先にもたぶんないと思います。今ではもう懐かしい苦い思い出で、だいぶ経っているのでここにこうして書いてしまいました。2018年から日本の大学で教え始めてから2年ほどは新規のコマの準備に追われながらも毎月に近い頻度で執筆していましたが、2020年ごろからは大学の仕事が増えて間隔をあけて担当しています。留学中はもちろん、これまで続けてこられたのはひとえにオペラシティの担当者の方のおかげです。今でも特に現代作品は、作品ごとに手探りで書いている感じで執筆には時間がかかりますが、今後も少しずつ担当できればと思っています。

